仏事にまつわる迷信たち

「四十九日が 三月(みつき)にかかってはならない」

 

 これは「語呂合わせ」です。

「四十九」が「始終苦」で、「三月」が「身付き」。これで「始終苦が身に付く」から駄目だという、正真正銘の「語呂合わせ迷信」なのです。

 三カ月にわたらないためには、月の前半までに命を終えないといけません。でも大切な人には一日も長く生きてほしいと願うものですよね。また、月の後半に命を終えるとご遺族が不幸になる。そんな教えはどこにも書いてありません。根拠も何も無いただの語呂合わせなので、一切気にすることはありません。

          

「友引にお葬式をしてはならない」

 

 これも語呂合わせです。「六曜」(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)は、昔の中国で勝負事の占いに使われていた暦です。

 「友引」は元々「共引き」で、勝負事が引き分けになる日を占った言葉でした。それがいつの頃か日本に入り、誰かが「友に引かれる日にはお葬式をしてはならない」と語呂を合わせたのです。一切気にすることはありません。ついでに言うと「仏滅」は元々「物滅」であり、これも友引と同じく、仏教とは何の関係もない、ただの語呂合わせです。

 

 ところで、迷信を信じないという方は多いようですが、根深く残っているのは何故でしょうか。それはきっと、「昔からしてきた」とか「皆が、あの人が言うから」という根拠の無い理由で今に伝えられてきたのでしょう。

 

 迷信は自分の人生だけでなく、他者の人生をもがんじがらめにし、自由を奪います。また、迷信に従わない人を仲間外れにすることにより、差別にもつながります。

 

 お釈迦様は迷信を否定されています。「迷信」に惑い続けながら生きるのか、それとも、諸行無常で明日とも分からぬ命だからこそ、「今」を精一杯大切に生きるのか。

 共々に迷信に惑わされない人生を歩みませんか?

 

 他にも、数や方角などの迷信は数えきれない程あります。もし迷信かどうかわからないことがあれば、いつでもお気軽にお尋ねください。